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無期限先物 DEX のしくみ · 無期限先物 · 2/4

資金調達率のしくみ

資金調達率は、無期限先物の市場の心臓の鼓動です。誰が誰に払うかを決め、価格をそろえておく役目を持っています。資金調達率を深く理解すれば、どの無期限先物 DEX にもある経済の仕組みが分かります。運営する市場の設定の中でも、特に大事なもののひとつです。

資金調達率の計算方法

資金調達率の中心にあるのは、現物(インデックスまたはオラクル)価格に対する無期限先物の価格のプレミアムまたはディスカウントです。式は取引所ごとに違いますが、大まかな形は次のとおりです。

Premium = (Perp Price - Oracle Price) / Oracle Price

多くの取引所は、ここに金利の項を足し、結果を一定の範囲に収めます(clamp)。Hyperliquid は中央集権型取引所と同じ形の式を使い、8時間あたりの率で表します(資金調達料の資料)。

Funding Rate (8h) = Average Premium + clamp(Interest Rate - Average Premium, -0.05%, +0.05%)

たとえば、BTC のオラクルが $60,000 で、インパクトの買い値が $60,012 なら、次のようになります。

clamp の働きに注目してください。プレミアムが金利から ±0.05% の範囲にあるかぎり、資金調達率はちょうど金利と同じ値になります。

買いと売りの力関係

資金調達率は、買いたい人と売りたい人の需要の釣り合いを映します。

プラスの資金調達率(上昇相場でよく見られます):

マイナスの資金調達率(暴落時によく見られます):

基準に近い資金調達率:

資金調達率がたいていプラスになる理由

この式を使う取引所では、資金調達率はほとんどの時間プラスです。その理由の一部は式の作りにあります。プレミアムがまったくなくても、金利の項だけで、買い手が売り手に8時間あたり0.01%を払います。Hyperliquid では年率およそ11.6%です。資金調達率をマイナスにするには、ディスカウントが続く必要があります。

上昇相場では買いに偏った需要もこれに加わりますが、それがすべてではありません。Hyperliquid の2026年4月から9月までの期間、1時間ごとの資金調達率がプラスだったのは、BTC で約81%、ETH で84%、HYPE で89%の時間でした。そして、それぞれ46%、55%、71%の時間は、ちょうど基準の率でした。この期間の平均の資金調達率を年率にすると、およそ5.8%(BTC)、6.5%(ETH)、9.5%(HYPE)で、どれも基準の11.6%を下回っています。(info API の公開の fundingHistory エンドポイントから計算しました。過去の資金調達率は、将来について何も示しません。)

資金調達料の計算

具体的な例で計算してみましょう。

Hyperliquid で $100,000 の BTC-PERP の買いポジションを持っているとします。いまの8時間の資金調達率は +0.01% です。

資金調達料は、証拠金ではなく、ポジションの想定元本にかかります。Hyperliquid では、想定元本は mark 価格ではなくオラクル価格で計算します。レバレッジをかけた買いポジションにとって、これは見落としやすい、絶えずかかる負担です。

取引所ごとの資金調達料

資金調達の仕組みは、どこも同じではありません。

取引所 支払いの間隔 仕組み
Hyperliquid 1時間ごと(8時間の率の8分の1) インパクト価格のプレミアム + 金利、clamp あり。上限は1時間あたり4%(資料)
Hyperliquid HIP-3 1時間ごと 仲値のプレミアム。資金調達料の倍率、金利、clamp は運営者が決める(資金調達料、運営者の操作)
dYdX 1時間ごと 1時間で平均したプレミアム + 金利(クロスの市場では既定値 0%)(資料)
Binance たいてい8時間 プレミアム + 金利(1回あたり0.01%)、clamp あり(FAQ)

HIP-3 の市場を開くなら、資金調達料の倍率、金利、clamp が運営者の調整手段です。弱くしすぎると、無期限先物がオラクルから乖離しかねません。強くしすぎると、ポジションを持つ費用が必要以上に高くなります。

資金調達料とベーシス取引

資金調達率がプラスなら、無期限先物を売っている人はそれを受け取ります。ただ売っているだけでは価格の変動にさらされるので、無期限先物を売りながら、同じ量の現物を持つ人がいます。現物と無期限先物の値動きが打ち消し合い、そのポジションは続くかぎり資金調達料を受け取ります。

これがベーシス取引(キャリー取引)です。運営者にとって大事なのは、こうした人たちが売りを出し、プレミアムをオラクルの方へ引き戻すからです。リスクがないわけではありません。資金調達率はマイナスに転じえますし、現物と無期限先物の価格が離れることもあります。手数料、借入の費用、無期限先物の側の清算リスクもすべてかかります。

まとめ