HIP-3 市場の運営 · 第2回(全5回) · 3 分
担保の通貨と採算
HIP-3 の dex を開いたのは10組です。1年たって、売買が続いているのは4組、全市場を閉じたのが5組、始まらなかったのが1組です。時系列に並べると、はっきりした分かれ目が1つと、厳しい採算の事実が1つ見えてきます。どちらも、HYPE を預ける前に計画に織り込んでおくべきことです。
分かれ目: dex が何で決済するか
dex は開くときに担保の通貨を1つ選びます。各 dex のチェーン上の設定から読み取りました。
| 担保 | 運営者 | 結果 |
|---|---|---|
| USDC | trade.xyz、EntropyIO、Paragon、Markets by Kinetiq | 売買が続いている |
| USDH | Felix、Ventuals、Kinetiq Markets | 終了(Kinetiq は USDC で出し直し) |
| USDe | HyENA | 終了 |
| USDT0 | Dreamcash | 終了 |
閉じた理由の多くは、市場そのものではありません。USDH が終わり、Hyperliquid が USDC に揃えたことで、Felix、Kinetiq、Dreamcash、HyENA はいずれも USDC への移行を理由に挙げました。どの運営者にも決められない変更で、動いていた事業ごと止まりました。
採算の事実: 出来高はほぼ1か所に集まる
- trade.xyz は、毎月 HIP-3 全体の出来高の81〜100%を占めています。
- dex を開くには 500,000 HYPE(約 $32〜40M)が要ります。trade.xyz 以外の運営者が得た手数料は、全部合わせて約 $747K です(Blockworks Research)。
- trade.xyz 以外では、ふだんの日に上位10口座が建玉の40〜72%を持っていました(Hydromancer の日次スナップショットより)。少数の売買する人が抜けるだけで、市場が空になり得ます。
新顔が踏みとどまれている場所
- trade.xyz がいない場所。続いている新顔は、指数(Paragon、Kinetiq)と未上場株(EntropyIO。伸びています)を選んでいます。
- Hyperliquid 本体がすでに扱っているものではない場所。HyENA は出来高の98%が、BTC など Hyperliquid 本体の市場にもある銘柄でした。
- 最初の3か月で多くが決まる。やめた運営者はどれも、最初の3か月のうちに一番忙しい週を迎え、そこから縮んでいきました。
記録から
Dreamcash は2026年1月に、毎週の奨励金とマーケットメイクの協力先を付けて始まり、164日で $19.5B を売買しました。trade.xyz の次に多い額です。それでも USDT0 から移るために、2026年6月30日〜7月2日に閉じました。出来高があっても、決済通貨の変更からは守られませんでした。
10組を並べた全体像と出典は、HIP-3 の運営者に何が起きたかにあります。
始める前に
- 5組の終了を上回る理由がないかぎり、決済は USDC にする。
- trade.xyz が扱っていない、自分が上場する市場を挙げる。今それを誰が売買しているかも。
- 手数料が今の水準のままなら、担保を何か月持ちこたえられるかを書き出す。
- 最初の3か月を計画する。どのフロントエンドに市場を載せてもらい、誰に気配を出してもらうか。
次回: 価格そのもの。1回の更新で市場が15.6%動いた話。